すっぽんに含まれる成分(コラーゲン編-その1)
コラーゲン=たんぱく質=アミノ酸
たんぱく質は、3大栄養素の中の必須栄養素の1つで、筋肉・皮膚・血液・臓器・毛髪など、身体の大部分はたんぱく質で構成されています。
細胞組織の合成や分解を助ける酵素、代謝の調節機能をつかさどるホルモン、免疫反応の抗体、これらの成分もすべてたんぱく質。
食品中に含まれるたんぱく質は、そのままでは利用することはできないため、「胃」→「十二指腸」→「回腸・空腸」→「小腸」という課程においてアミノ酸に分解され、吸収されます。
そして、いったん「肝臓」に送られ、再び体に必要なたんぱく質に再合成されます。
コラーゲンもたんぱく質の一種で、身体を構成する全たんぱく質のうち、コラーゲンの割合は約30%を占めています。
そのうちの約40%は皮膚に、約10~20%は骨や軟骨に存在し、その他血管や内臓など全身のあらゆる組織に含まれていて、主に細胞同士を“つなぎとめる・支える・外部から守る”という働きを担っています。
上記、たんぱく質に再合成の過程においてコラーゲンも再合成されるのですが、分解されたアミノ酸をどのようなたんぱく質の再合成に使うのか?を決めているのはDNAです。
よって、いくらコラーゲンに期待を寄せようとも全くの無駄。
まさしく“神のみぞ知る”です。
外部からの操作が不可能である以上《運を天にまかせる》しかありません。
加えて、幸運にも願いが通じて期待通りにコラーゲンとして合成されたと仮定しても、
・ちゃんと「皮膚」のコラーゲンとして使われるのか?
・ちゃんと「顔・お肌」の部位に回ってくるのか?
・いったい「どれくらいの分量」なのか?
・そして‥「その幸運はこれからもずっと続く」のか?
“神のみぞ知る” ・《運を天にまかせる》状況は何ら変わりません。
コラーゲンは”皮膚”から吸収されるのか?
いいえ、吸収されません。
そもそもコラーゲン、たんぱく質は、皮膚からは吸収されません。
分子量が大きすぎて皮膚を通り抜けられないから。
なので、クリームなどを塗ったところでコラーゲンの補給にはなりません。
“つるつる・ぷりぷり・すべすべ”といった感想は、ただ単にコラーゲンやその他の成分のもっている“保湿効果の結果”によるものです。
これは何もコラーゲンに限ったことではなく、美容成分配合・浸透などと謳っている化粧品にあるヒアルロン酸・アスタキチンサンといった成分も同様、皮膚を通れない。
「防御」が基本的な役割である皮膚は、非常にきめの細かい“精密フィルタ”なので、とにかくみんな”身体”が大きすぎて通過できない。
肌(皮膚)の役割は、体温調節や排出、感覚作用など色々あるものの、最も重要なものが「外部刺激からの保護」=「バリア」の機能ですから。
皮膚は表皮、角層、真皮の3層構造となっていて、有害な化学薬品や細菌などが身体に侵入しないように、不必要に水分を排出・吸収しないように、衝撃からも紫外線からも<守る>という機能を果たしてくれています。
表皮の角質層を通り抜け真皮、それ以下の内部に成分がしみ込んで血液中へ‥という流れのことを「経皮吸収」といいます。
そもそもバリアの役目を担っている皮膚が、この《侵入》をそうそう簡単に“市販の化粧品”なんぞに許すと思いますか??
もしも この《侵入》を認めたりしたら‥これほど恐いことはない‥。
現状、化粧品メーカーが宣伝している通りの成分・効能を特に疑うこともなく、そのまま信じて購入・使用していますよね?
仮に、お肌に何らかの異常が出た場合、これまでは最悪、皮膚のバリアでその表面で食い止められていた被害が“真皮”という皮膚の最深部にまで及ぶことになるのだから‥。
そして‥その深刻な症状があらわれるのは使用後すぐ‥? 数年後‥?? それとも数十年後‥???
若き日の過ち、昔彫ったタトゥーを消し去り、元通りの真っ白な肌を取り戻したい‥という流れに似ていませんか‥?
今もなお、この手の美容・健康に関する商品の宣伝がネットでも、テレビのCMでも、深夜の通販番組でも、ガンガン流れてます。
これだけ宣伝・広告に費用を投入できるということは、相当な売り上げで莫大に儲かっているからなんでしょうねぇ?
実際は“何の効果もない無益な商品”を買ってくれる人がいることで‥。
皮膚がバリアの役目を放棄し「経皮吸収」という《侵入》を認めるのは唯一、医師の扱う分野である【医薬品】にだけ、と考えておくのが無難です。
まずは、ホントか?と疑うところから始めましょう。
そして、ネットで調べるクセをつけましょう。
ちょっとした手間とそこから得られた知識で、もうダマサレナイで済むんだから‥。
“これからは!!“
(※ 2016年6月16日、新たな可能性が示されました。
-特許取得- DHCの【新世代】コラーゲン 新TV-CM放映のお知らせ)
コラーゲンは”体内”から吸収されるのか?
いいえ、吸収されません。
繰り返しになるものの、何処からもコラーゲンとしては吸収されません。
前述のとおりコラーゲンは、食事として摂取されたたんぱく質が分解されてアミノ酸となり、再合成されたたんぱく質の中の1つの物質にすぎません。
そのたんぱく質であるコラーゲンを口から入れて期待したところで、上記の“神のみぞ知る” ・《運を天にまかせる》の洗礼を受けるだけですので。
“コラーゲン商品“には要注意!!(その1)
《コラーゲンをコラーゲンとしてコラーゲンのままに、体内に吸収 》
できません。
にも関わらずネット上、「コラーゲンはお肌への効果はピカイチ」とか「低分子コラーゲンなので吸収力バツグン」などなど‥。
事実を無視して儲けることだけが目的のキャッチコピーが踊り狂っており‥。
“最も悪質”に思うのは、“本当の正しい数値やデータを併記“してるところ。
コラーゲンに関する知識やデータ、数値などは一応、全て正しい。
でも、そこから先がインチキというような‥。
「確かに内容は正しい。けど、それはあまりにも専門的な内容すぎて、”普通に見ているヒト”には到底理解できないだろう内容。コレを更に掘り下げた“具体的な解説”もないまま“コラーゲン”を使っているようなサイト」
これには“要注意”です。
“具体的な解説”として“私は”掘り下げますw
例えば‥。
「コラーゲンのアミノ酸組成はプロリン(Pro)とヒドロキシプロリン(Hyp)が約21~22%を占めていて、分子にはProとHypが結合したジペプチドのプロリルヒドロキシプロリン(Pro-Hyp)が繰り返し現れるんですね」
などと書かれているブログがあります。
アナタ、理解できますか??
ってか、理解しようとしてますか??
「きっと、内容は正しい‥んだろうな‥??」
では??
ヤツラはアナタを煙に巻いて“思考力の低下”を狙っているんです。
“コラーゲン商品“には要注意!!(その2)
「これまで一度も聞いたことがない”キーワード”が飛び出してくるサイト」
これにも注意が必要。
(※オリジナリティの点においては、その判断がなかなか難しいものの‥)
例えば、「○○大学の△△博士の推論に基づき、我が社が開発した独自の技術」とかなんとか。
「○○大学の△△博士‥?」
実際にググってみると、確かに、あれやこれやヒットするものの‥。
これってその関連会社の検索結果だらけで‥?
しかも、第三者的・客観的な情報などは一切無しというお粗末さ‥。
にも関わらず、商品化され、売られ、買うヒトがいる‥。
“コラーゲン商品“には要注意!!(その3)
「まったく訳の分からない“オリジナルのアピール”が入ってくるサイト」
これは、非常に危険。
こういうサイトの特徴、自信ありげに「え!? こんなことも知らないの‥?」という姿勢を基本とし、アナタを”知らない人”=“変人扱い”して、上から目線で語ってきます。
その上で、このような“攻撃”を仕掛けてきます。
コラーゲンを低分子化することでアミノ酸に分解される工程を省略し、コラーゲンのまま効率よく身体に吸収できるようになったのです
低分子コラーゲンは分解される際にその繋がりが分断されてしまいますが、高分子コラーゲンは分断されないため身体が本来持っているコラーゲンに近い形で体内に入ります
「アミノ酸に分解される工程を省略」ってなんだ‥?
「身体が本来持っているコラーゲンに近い形で体内に入ります」‥??
「へー‥」と思う前にまずは「ほんとか?」と思うクセをつけましょう!!
サプリの紹介・販売サイトの中には、
「コラーゲンは白血球に作用して免疫機能を高める働きがあるためアトピー性皮膚炎にも効果を発揮」
だとか、
「がんを予防してアレルギーも改善」などと‥‥。
まるで神様が持っておられる“万能の薬”であるかのように謳っているサイトまであるものの‥。
もはや“詐欺行為”でしょ‥これって。
「シワ・シミ対策」として真皮のコラーゲンを増やしたいのならば、わざわざインチキ化粧品の購入のために時間やお金を費やすよりも、やっぱり王道である「栄養バランスのとれた食事」・「十分な睡眠」・「適度な運動」。これが一番効果があると思います。
(ってか‥“粗食”ってのがあるものの‥それはまた、別の機会に‥)
以上です。
(関連記事 : 栄養の塊「スッポンの効果・効用・効能とは?」を調べてみた
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