「東京に砂漠がある」
こう聞くとまず思いつくのが《内山田洋とクール・ファイブ「東京砂漠」(昭和51年)》だろうという人も多いかもしれませんが、そうことではありません。
「そりゃ日本の首都・メガシティ東京なんだから心が渇ききってる人たちもいっぱい‥」とかいうことでもありません。
日本で唯一の砂漠が東京都にあるのです。
もちろん国土地理院の地図にも砂漠としてしっかり載っています。
日本の砂漠=伊豆大島の「表砂漠」「裏砂漠」「奥山砂漠」
伊豆大島の住所は東京都大島町。
ちゃんと砂漠が存在しています。
しかし、厳密にいえば砂漠の定義からは外れているため本当の砂漠ではなく、三原山の噴火による火山灰や溶岩の砂や岩で覆われたただの荒地ということになりますが。
では、砂漠とは何なのでしょうか?
また、砂丘とどう違うのでしょうか?
砂漠と砂丘の違いって何?
なんとなくぼんやりのイメージとして、砂漠の小さいものが砂丘と思っている人はいませんか?
実際には砂漠と砂丘は全くの別物です。
砂漠とは
年間降雨量が250mm以下の雨がほとんど降らない、砂や岩石の多い土地・地域のことをいいます。昼夜の気温差が激しく水分が少ないため、ほとんど植物が生息しておらず、作物も育たない環境なので農業にも適していないことから、人間の居住が非常に困難な地域です。 アフリカのサハラ砂漠や、モンゴルのゴビ砂漠などが世界的に有名です。
砂漠と聞いて一般的にイメージされるのは、「砂」という漢字が入っていることからも、TOP画像のようなラクダが歩いている辺り一面砂だらけの砂漠 = 砂砂漠ではないでしょうか。
しかしながら、地球上の砂漠の面積のうちの約90%が、岩石砂漠です。
例えばアフリカのサハラ砂漠では、その全体の70%が岩石砂漠であり、砂砂漠の割合は20~30%程度に過ぎません。
南極大陸も砂漠です。
「砂漠」は元々「沙漠」であり、年間降雨量が極端に少なく乾燥した地域のことを指しています。
よって、「世界最大の砂漠は?」というクイズに対する通常の答えは「サハラ砂漠」ながらも、本来の意味においては「南極大陸」というのが正解となります。
砂丘とは
風によって運ばれた砂が集まり堆積してできた丘状の地形のことを砂丘といいます。年間降雨量の定義も砂丘にはありません。仮に砂が動かなければ植物も生息することができて、作物を育てることもできる環境です。
砂漠は土地・地域のことを指していますが、砂丘というのは地形そのもののことです。 日本にも、最も有名な鳥取県の鳥取砂丘をはじめとして、100以上もの砂丘があります。
ちなみに、「日本三大砂丘」は鳥取砂丘(鳥取県)、吹上浜砂丘(鹿児島県)、中田島砂丘(静岡県)です。
なかでも、鳥取砂丘は日本最大級の砂丘として有名ですが、実は日本一の面積を持っている砂丘は青森県の猿ヶ森砂丘です。
鳥取砂丘の面積が約545haであるのに対し、猿ヶ森砂丘の面積はなんと!!30倍もの約1万5000ha。
よって、「日本最大の面積を持つ砂丘は?」というクイズに対する通常の答えの「鳥取砂丘」は明らかに間違いで、正解は「猿ヶ森砂丘」となります。
何故こんなややこしいことになったのか?
鳥取砂丘はWikipediaによると
「南北2.4km、東西16kmに広がる日本最大の観光可能な砂丘」
とあります。
実は、面積において日本一の猿ヶ森砂丘、防衛省の下北試験場(弾道試験場)の敷地になっており一般人の立ち入りが制限されているので、観光不可能なのです。
加えて、長さで見てみると、鳥取砂丘の16kmに対して、上記「日本三大砂丘」の一つである鹿児島県の吹上浜砂丘が47km‥。
結局、鳥取砂丘の立場って‥?
これらの事実を信じるか信じないかは、貴方次第です。
コメント