通常オオカミといえば、グレイウルフ(Gray Wolf) = ハイイロオオカミ(タイリクオオカミ)の姿をみなさんは想像するのではないでしょうか?
グレイウルフ‥。この呼び名そのものがもうカッコいい‥。p(´⌒`;)
すでに絶滅してしまったオオカミも含めて、その種類を集めてまとめてみました。
オオカミの種類について
世界のオオカミの種類には3つあると言われているそうで、それが「ハイイロオオカミ」「アメリカアカオオカミ」「エチオピアオオカミ」です。
またいくつかの亜種があって、それらが見つけられた場所に基づいて命名されます。
これらのオオカミには多くの類似点があるのですが、もちろんそれらを区別するのに十分な相違点もあり、数多くの研究の結果から、より明確な違いが見られます。
「ハイイロオオカミ」は、ほとんどの人がまずイメージするであろうオオカミです。
どこに住んでいるのかに応じて、その色と身体の大きさのすべてが決まります。
米国、カナダ、およびアラスカで見かけられ、また、ヨーロッパ、アジア、アフリカの一部の地域にも生息しています。
総体的にはまだ絶滅危惧種と考えられているものの、米国ではその生息数が多くなり、狩猟が許可されています‥。
「アメリカアカオオカミ」の名は、その体色からきています。
毛皮が赤みを帯びているため、時には狐と混同されることがありますが、野生においてはしばしば茶色であるために、これがまた別の種類のオオカミであると思われている理由ともなっています。
主に、米国のノースカロライナ州とサウスカロライナ州の周辺に見られます。
絶滅危惧種と考えられており、1996年以降、そのように定義されています。
「エチオピアオオカミ」はアフリカの地域に住んでいます。
「ハイイロオオカミ」と非常に縁が近いオオカミで、とても身体の小さい種類のオオカミであるため、よくコヨーテと間違われることがあります。
パック(群れ)で暮らしてはいるものの、しばしば小規模の獲物の狩りのために各々で勝手に”冒険”に出掛けます。このことからも、他のオオカミたちと同じような複雑な社会構造の感覚は持ち合わせていないようです。
オオカミ(狼)の種類一覧
名 称 | 説 明 |
---|---|
ハイイロオオカミ・タイリクオオカミ | 《Canis lupus lupus》 東南アジアとヨーロッパの一部以外のユーラシア大陸、と北アメリカに生息。 |
ツンドラオオカミ・シベリアオオカミ | 《Canis lupus albus》 主にユーラシア大陸北端部のツンドラ地帯に生息。 体長約150~200cmの大型の種類。 |
アラビアオオカミ | 《Canis lupus arabs》 主にアラビア半島に生息。 生息数が少なく、絶滅が心配されている。 |
ホッキョクオオカミ | 《Canis lupus arctos》 グリーンランド北部と東部、クイーンエリザベス諸島、バンクス島、ビクトリア島に生息。 ホッキョクグマのように全身白色の毛で覆われている。 ハイイロオオカミの亜種とされている。 |
メキシコオオカミ | 《Canis lupus baileyi》 かつてアメリカ南西部からメキシコ北西部にかけて分布していた。1970年代に一度野生絶滅したが、現在アメリカアリゾナ州やニューメキシコ州に再導入されている。 アメリカ合衆国南部とメキシコに生息しているが、非常に生息数は少なく絶滅が懸念されている。 北アメリカに生息するオオカミの中ではもっとも小型で、体重約23~36kg、体長約165cm。 「シートン動物記」の狼王ロボもこの亜種メキシコオオカミと言われている。 |
ヒマラヤオオカミ | 《Canis himalayensis》 遺伝子検査のおかげで、密接に関連するインディアンウルフとは非常に異なっていることが判明。インドの特定の地域で見つかっている。ジャム、カシミール、ネパール、ヒマラヤが含まれる。数が少なく野生のヒマラヤのオオカミの数は350頭。 |
ロシアオオカミ | 《Canis lupus communis》 ウラル山脈を中心に生息しているものと考えられている。正確な分布範囲はまだ不明。 |
カスピオオカミ | 《Canis lupus cubanensis》 コーカサス山脈を中心にトルコとイランの一部に生息。 |
エゾオオカミ | 《Canis lupus hattai》 北海道、樺太、千島に生息していたハイイロオオカミの亜種とされるオオカミ。 1896年に毛皮商人が扱ったのを最後に、1900年頃に絶滅したと考えられている。 |
ニホンオオカミ | 《Canis lupus hodophilax》 北海道を除く本州、四国、九州に生息していたオオカミ。 1905年(明治38年)1月23日に、奈良県東吉野村鷲家口で捕獲された若いオスのニホンオオカミが、記録に残る最後の1匹。 国立科学博物館、東京大学、和歌山県立自然博物館にニホンオオカミの標本が残されている。 |
ニューファンドランドシロオオカミ | 《Canis lupus beothucus》 カナダのニューファンドランド島に生息していたオオカミ。現在は絶滅。 最大で200cmほどになる非常に大きな種類で、白色の毛をまとってた。主に山地に生息。体格は最大のもので全長200cm、体重70kgにも達した。体色は白で、雪の多いニューファンドランドで保護色として機能していたと考えられる。 |
イタリアオオカミ | 《Canis lupus italicus》 イタリアからアルプス南部に生息。 |
エジプトオオカミ | 《Canis lupus lupaster》 エジプトとリビアに生息。 |
ヨーロッパオオカミ・チョウセンオオカミ・ヒマラヤオオカミ・シベリアオオカミ | 《Canis lupus lupus》 シベリア北部、東部に生息するものがシベリアオオカミ。ヨーロッパ東部からロシア、中央アジア、シベリア南部、中国、モンゴル、朝鮮、ヒマラヤ地域に分布。ヒマラヤのオオカミは、ブータン、インド、ネパール、中国、パキスタンの5カ国を含む遠隔地にある。 朝鮮半島の高地や白頭山、中国東北部に生息するものをチョウセンオオカミと呼ぶ。 |
シンリンオオカミeastern wolf eastern timber wolf | 《Canis lupus lycaon》 カナダのオンタリオ州南東部とケベック州南部、アラスカに生息。 タイリクオオカミの亜種と考えられている。 コヨーテとの交雑が心配されている。 |
ネブラスカオオカミ・グレートプレーンズオオカミ | 《Canis lupus nubilus》 カナダからテキサス州に至る大平原地帯(グレートプレーンズ)に生息していた。 アメリカでは1927年に絶滅してしまい、現在はアメリカとカナダの国境付近の五大湖周辺やカナダアメリカの五大湖西岸、アラスカ南東部、カナダ東部、バフィン島に生息。中型のオオカミで、体長140-200cm、体重27-50kg前後。体毛は明るい灰色だが、白いものもある。 |
アラスカオオカミ・シンリンオオカミ | 《Canis lupus occidentalis》 カナダ北西部、アメリカ北西部のモンタナ州、アイダホ州、ワイオミング州に生息。分布を拡大している。 |
インドオオカミ | 《Canis lupus pallipes》 中型のオオカミで、中東アジア、イスラエルからインドにかけて生息。 野生としては約3000匹ほどしか残っていないと考えられている。 |
アメリカアカオオカミ | 《Canis lupus × latrans》 テキサス州とルイジアナ州に生息していたオオカミ。 現在はこの地域にはほとんど残っていないものの、専門家による再導入プロジェクトのおかげで、サウスカロライナとノースカロライナに生息。 アメリカアカオオカミはハイイロオオカミとコヨーテが自然に交配した雑種だと考えられている。 |
エチオピアオオカミ・アビシニアジャッカル | 《Canis simensis》 エチオピアの固有種。標高3500m山頂付近の平原に生息している絶滅危惧種。その見た目からはジャッカルやキツネに近いとされてきたが、実はオオカミに近い種である。ただでさえ絶滅が危惧されるエチオピアオオカミを死に追いやる狂犬病。研究者が試行錯誤の末に経口ワクチンを接種したところ、効果が確認された。その個体数はエチオピア全体で400~500頭ほどといわれる、 体長:80~100cm 体重:11~14kg。 |
コヨーテ | 《Canis latrans》 極地帯近辺を除く北アメリカ大陸に広く分布。オオカミの衰退に乗じて分布を広げつつある。オオカミより小型で頭胴長75~101cm、尾長30~40cm、体高60cm以内、体重9~20kg(平均14kg)。絶滅危惧種のアメリカアカオオカミとの交雑が心配されている。 |
イエイヌ | 《Canis lupus familiaris》 イエイヌは1万5千年以上前にタイリクオオカミを飼い慣らした動物であるという説が有力とされる、一般的に言われる犬のこと。 ラテン語の学名Canis lupus familiarisの意味は「広義で言う犬の一族、その中の狼という一派、更にそのうちの、人とともにある一群」となっている。 現在ではイヌはタイリクオオカミの亜種として考えられている。 |
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