実写版『ジャングル・ブック』。
インドのジャングルの真ん中、川のほとりで人間の赤ちゃんを見つけた黒ヒョウのバギーラに拾われ、”オオカミ一家に育てられた”少年モーグリの物語。
オオカミに育てられた少女「アマラとカマラ」
1920年にインドのミドナプール付近で孤児院を運営していたキリスト教伝道師ジョセフ・シングが、宣教中に偶然立ち寄ったゴダムリという小さな村でオオカミと共に暮らしている二人の少女を発見・保護する。
その少女たちの正確な年齢は不明ながら、年少の子(アマラ)保護時約1歳6ヶ月と推定、年長の子(カマラ)は8歳くらいに推定された。
少女たちの振る舞いはオオカミのそれと全く同じで、体を丸めて一緒に眠り、手足の腱や関節がもろく立って歩くことができないため常に四足歩行で歩き回る。
顎の骨が発達していて犬歯が異常に伸びており、食べ物は生肉と牛乳を好んで食べ、死んだ鳥の肉をむさぼる二人の姿はまるでオオカミそのもの。
真夜中に遠吠えをする以外では声を発することはあまりなく、人間との関係にはまったく興味を示さなかった。
聴覚と嗅覚が非常に敏感で、その眼は暗闇の中でギラギラと不気味な青色に輝き、何ら苦もなく行動できた。
1年たってアマラは寄生虫に冒され昏睡状態に陥り、治療で一度は体調が回復ものの1921年9月21日に腎臓炎で死去、カマラも8年後の1929年11月14日、尿毒症により死去した。
という有名な事件ではありますが、多くの研究者・科学者が以下の矛盾点を指摘しており、結局現在では、シング牧師による孤児院への多額の寄付金目当ての大掛かりな詐欺事件とされています。
・人間の眼が暗闇で青く光ったり、犬歯が環境に応じて急激に伸びたり、四足歩行の方が速く走れたり、ということは生物学的にありえない。
・オオカミのメスは積極的に乳を与えることが少なく、ヒトの乳児も乳首を口元に持っていくことで乳を吸うため、授乳そのものが成立しない。
また、母乳の成分がヒトのものとは全く異なっているため、幼い乳児がオオカミの母乳を正常に消化できるとは考え難い。
・群れを作って広範囲を移動しながら狩りを行うオオカミと、当時推定1歳半のアマラと推定8歳のカマラが共に移動・行動できたとは考え難い。
現在は研究者により、アマラとカマラは「オオカミ少女」などではなく、おそらく重度の障害、自閉症もしくは精神障害を患っていたため親に捨てられた孤児で、彼女たちの行動がケモノじみていたため「オオカミに育てられた」と捏造・宣伝していたと結論づけられています。
世界にはまだまだ‥「動物に育てられた子供たち」の話があります。
また機会をみて、ご紹介したいと思います。
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