完全比較 !! インフルエンザと風邪の症状の違い

「なんか熱っぽい・・風邪かな?」

たいてい普通はみなさんもこう考えると思いますが、風邪とインフルエンザには大きな違いがあります。

風邪くらいならと学校・会社に無理をしてでも出掛けたり、自宅で安静にして自力で治そうと考える人も多いと思いますが、もしもインフルエンザだった場合、その感染力の強さから周囲への大感染を引き起こしてしまうかもしれません。

インフルエンザと風邪、基礎知識から始めて、その特徴や症状の違いを徹底的に比較してみたいと思います。

「風邪」という病名はない

ご存じの方も多いと思いますが、実は、風邪という病名はありません。
ですので、病院に行って診察を受けた際に医者はカルテに「風邪」とは書きません。

では風邪とは何なのか?

それはウイルスによる上気道感染症のことで、この上気道(鼻腔、鼻咽腔、咽頭、喉頭)の急性炎症の総称を「風邪症候群」と言います。
この急性上気道炎のことを「普通感冒」とも言います。

「結局、風邪は風邪なんじゃないの?」と思うかもしれませんが、鼻炎、扁桃炎、咽頭炎、喉頭炎、咽喉頭炎など、これらのいくつもの組み合わせた急性の炎症をまとめて「風邪症候群」なのです。

ま、日常生活においては普通に「風邪」でイイんですが。
「急性上気道炎になっちゃってさぁ‥」なんてヤツとは付き合いたくないのでw

風邪とインフルエンザを比較する

「風邪(普通感冒)」は、70～80％がウイルスの感染を原因としており、ライノウイルス、アデノウイルス、RSウイルス、パラインフルエンザウィルス、コロナウイルス、エコーウイルス、細菌など様々です。

「風邪(普通感冒)」は季節にあまり関係なく、夏風邪など1年を通してみられます。
潜伏期間は菌よって様々で、短いもので1～2日、長いものだと～10日。
症状は比較的軽く、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、せき、たん、のどの痛み、頭痛、発熱などの局部症状ながらも、肺炎や気管支炎などの合併症を引き起こすと重症化します。

通常は3日以内、長くても1週間程度で治ることが多く、熱は微熱～37、38℃くらいまで上がります。

「インフルエンザ(流行性感冒)」の原因は、“インフルエンザウイルス”の鼻・のどの上気道などの粘膜への感染です。

「インフルエンザ(流行性感冒)」には季節性があり、日本では例年11月下旬～12月上旬に流行が始まり、1月下旬～2月にピークを迎え、3月頃まで続きます。

潜伏期間は1～2日(3日)、症状としては、いきなりの38℃以上の「高熱」や、関節痛、筋肉痛、頭痛、全身倦怠感、食欲不振など、全身症状が強く現れます。

肺炎や脳炎（インフルエンザ脳炎）などの合併症を引き起こすなど重症化しやすく、完治までには早くて約1週間、人により10日以上かかると言われています。

感染経路

接触感染(経口感染)・・・病原体の付着した物品や手を介して口や鼻などの粘膜から体内に侵入することで感染する。

飛沫感染・・・咳やくしゃみによって飛び散った痰や唾液の水分を含んでいるしぶき(飛沫)に含まれる病原体を口や鼻の粘膜に直接触れることで感染する。
・咳1回で、約10万個のウイルスが約2m飛ぶ。
・1回のくしゃみで、約200万個のウイルスが3mも飛ぶ。速度は時速約300km。
(東京逓信大学病院HPより)

飛沫核感染(空気感染)・・・咳やくしゃみによって飛び散った飛沫が乾燥し、水分がなく軽いため、空気中を漂って広い範囲にまき散らされ、粒子の細かい病原体を吸い込むことで感染する。

「風邪(普通感冒)」は基本的に接触感染と飛沫感染でうつるのですが、「インフルエンザ(流行性感冒)」の場合は飛沫核感染(空気感染)が加わるため、あっという間に周囲に広がり、大流行(パンデミック)となりやすいわけです。

“風邪”と”インフルエンザ”の比較表

日本では2009年5月、新型インフルエンザウイルスが出現し、その後感染者が爆発的に増加してパンデミック（世界的大流行）を引き起こしました。

季節性のインフルエンザは、例年の流行時期(11～12月頃から1～3月)をもとに前もって予防接種を受ける等の準備もできそうなものですが、新型インフルエンザとなると時期を選ばず、いきなりドカンですから‥。こわいですね‥。

以上です。