海のユニコーンと呼ばれる「イッカク」、見た目はまるで潜水艦に角が生えたかのよう。
「イッカク」はクジラの仲間です。体長は約5mほどで体重は1.5tにもなります。
上のイラストにあるように長く突き出た一本の角、実はこれは「牙」です。
つまりは「出っ歯」。頭から生えているわけではありません。
ドリル状に渦巻いた牙の長さは最大3m。重さ10kg。体長から考えると相当な大きさですね。
これがいわゆる伝説の生物、ユニコーンです。頭から角を生やしています。この伝説のせいで、イッカクの角(牙)はユニコーンの角として乱獲されてしまったとか。
あれ? 翼が生えてなかったけ? ってそれはペガサスですね。これ。
これが「イッカク」です。
どうでしょう? 潜水艦にそっくりじゃないですか? なんとも美しい・・。
出没海域は、カナダ、グリーンランド、ノルウェー、ロシアの北極海。
「イッカク」のイメージはその名の通り「一本の角」ですが、500頭に1頭程度の割合で「二本の角」の“イッカク”もいます。
それにしてもこんなに長い邪魔そうな出っ歯、なんのために? その役割は??
基本、牙を持つのはオスだけです。なので、長さの競い合いで立派な方が勝ちとされていましたが、メスにも1mほどの短い牙が生えている例もあります。
その他、北極の氷に穴を開けるためだとか、突き刺した魚を食べるためとか。
WWFによると「イッカク」の牙、内部に最大1000万もの神経終末を持った感覚器官のようです。ググってみると、気圧や温度の変化を敏感に感じ取ることのできる道具らしいです。こうなると、これはまさしく潜水艦でいうところのソナーですね。
でもこの牙、中身はスカスカで脆い。仲間同士でやり合って折れてしまうこともあるのですが、人間の永久歯同様、二度と生えてきません。
そんな大切なもの使ってまでケンカするなよ・・。
「イッカク」の潜水力は深度1000m。「マッコウクジラ」の潜水最大深度は3000m。海上自衛隊の潜水艦の最大潜航深度は500m~600m・・。
その昔、「イッカク」は伝説の生き物でした。
19世紀ごろまで「イッカク」は未確認生物、すなわちUMA、未確認生物。
中世ヨーロッパ時代に「イッカク」の話は伝わっていて当時のヨーロッパ人が描いた絵もあるものの、情報がイヌイット目撃からのものしかなかったため、その姿は現実のものとはほど遠いものでした。
ご多分に漏れず、この「イッカク」も絶滅危惧種に指定されています。
気候変動についてはそうだろうなとは思っていたものの、石油と天然ガス開発の船舶通信がノイズとなって海洋哺乳類、特に「クジラ」の衝突の可能性を増大させるとのこと。
「クジラ」はコミュニケーションを音に依存しているため、船舶の航行、工業開発、海洋建設、軍事活動などが「OCEAN NOISE」海洋雑音という水中騒音公害となり、食べ物や仲間を見つけることに障害を来し、敵を避けること、若い世代を育てることにも影響を与えているそうです。
いつも思うこと。
<地球上に人類がいなければ>
そんな世界を見てみたいですね。
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