目の前にはローソン、ちょい離れてセブンイレブン、駅の向こう側にもう一件のセブンイレブン。ちょっと離れてミニストップ、ずーっと離れてファミリーマート。
これが私の住んでいる場所でのコンビニ環境はこんな感じでした。
そんな中、ちょい離れた位置に新たなコンビニが来ることが判明。
ワクワク。
期待していたものは当然、ファミリーマートだったものの‥。
「またセブンかよ‥」。
みなさんも同じ思いをしたことがありませんか??
だいたい「セブンイレブン」って何だ?
セブンイレブンはアメリカ発祥のコンビニエンスストアのこと。
その名前の通り、オープン当初は朝7時から夜11時までの営業。
(1975年(昭和50年)6月、福島県郡山市虎丸店で24時間営業開始)
「セブンイレブン」って正しくは「Seven-Eleven」ではなく「7-Eleven」です。
看板にもそう書いてありますよね?
現在、日本の社名の英語表記は「Seven-Eleven Japan Co., Ltd.」となっていますが、本家では「7-Eleven, Inc.」です。
こちらが、アメリカのセブンイレブンのHP。
販売されている商品を見てみると、全く見知らぬものばかり‥。
パクりを得意としているどこぞの国のニセモノのコンビニみたいですけど? w
セブン-イレブンが乱立する秘密はドミナント戦略にあり
ドミナント戦略とは?
ドミナント(dominant)は「支配的な」「最も有力な」「優勢な」の意味。
ドミナント戦略とは、フランチャイズのチェーンストアをある一つのまとまった地域に集中して出店するという戦略のことです。
なので、多数出店されている地域もある一方、一店舗もない地域もある、ということになります。
そのメリット・デメリットの詳細についてはまた別の機会に‥ということで省略ながら、簡単に紹介しておくと、
《ドミナント戦略のメリット》
・集中的な出店による知名度の向上と広告宣伝費の削減
・配送センターを基点とした出店による効率的な配送ルートの確保
・スーパーバイザーの効率な巡回による より長い指導時間の確保と人件費削減
《ドミナント戦略のデメリット》
・巨大な資本を持つ大手競合他社による支配地域への参入の危惧
・災害時の同一地域内での被害の拡大
・地域の事情の変化による売上への影響
・顧客の奪い合い(カニバリゼーション(cannibalization:共食い))の発生
以上、「セブン-イレブンが乱立する秘密」についてはこんな感じです。
《ドミナント戦略のデメリット》について掘り下げてみる
大昔、コンビニでバイトしてたことがありました。
「サークルK」で。
現在の「サークルKサンクス」です(見た目にも汚く、読みづらい社名)。
勤務当初その店舗は直営店だったので、店長はお気楽な社員。
とはいえ、それでもやはり自らの成績に関わることなので懸命に職務を全うしていたようですが?
ある時、この店がオーナー店に変わりました。
その店長というのが、すでに退職して何年?? というような、見た目からしていわゆるおじいさん。
その必死さときたら、そりゃまあ‥。
「デメリット」とはあくまでも親会社にとっての話であって‥?
●「巨大な資本を持つ大手競合他社による支配地域への参入の危惧」
セブンイレブンは日本におけるコンビニ最大手、チェーンストアとしても世界最大の店舗数を展開している企業なので、この心配はありませんね。
●「災害時の同一地域内での被害の拡大」
地震などの自然災害が起こった場合、ドミナントエリア一帯の店舗が同時に大きな被害を受けてしまうこととなって売上が激減、修繕費もかさむというリスクがあります。
●「地域の事情の変化による売上への影響」
有名な例、ケンタッキーフライドチキンのカーネルサンダース物語ですね。
当時、ケンタッキー州コービンで「サンダース・カフェ」を経営していたサンダース、ハイウェイの建設によって車の流れが変わって客が来なくなったため、やむなく閉店。
同様に、例えばある道路沿いに複数の店舗出店していた場合、何らかの理由で事情が変わって交通量が減ったりすると同時に複数店舗に影響を受けます。
ちなみにその後のサンダース物語、このとき65歳だった彼は、経営していたカフェの主力メニューがフライドチキンで、そのレシピを教える代わりに1羽につき5セントを受け取るというフランチャイズビジネスを始めました。
●「顧客の奪い合い(カニバリゼーション(cannibalization:共食い))の発生」
同一地域内にあるため、お互いの店舗がお互いの顧客を奪い合うことが起きてしまう可能性、いわゆる「共食い状態」になってしまうリスクがあります。
「共食い」の「デメリット」を受けるオーナーさんは‥?
以降、ちょっと怖い話‥。
上述の実体験の通り、コンビニのオーナーさん、それはもう必死です。
フランチャイズ契約には「ある1つの地域には1店舗の出店に限る」など、オーナーさんの利益を守るためにその地域内での店舗数を制限していることがあります。
しかしながら、セブンイレブンの場合はドミナント戦略。
すでに店舗が存在する地域内においても出店可能です。
例えばの物語‥。
「もしも貴方がセブンイレブンのオーナーさんになったら?」というお話です。
頑張って、その地域では唯一の存在となって売上げも上々、経営も安定、利益も十分に確保みたいな状況。
そんな美味しい商圏を本部が見逃すはずもなく、すぐ近所に直営店が‥。
どころか、2軒目、3軒目と次々と‥。
フランチャイズとしてのコンビニ経営なので、もちろん売上金の中からのロイヤリティの送金が義務づけられています。
ロイヤリティ。つまりはヤクザの世界でいうところの上納金。
売上げが激減しようがなんだろうが、支払わなければならない上納金‥。
こうしたところでは売上はあがらず、慢性的な赤字経営がつづく。だがコンビニ経営は、売上金の毎日の送金が義務づけられており、現金はごっそり本部にすいあげられる。店に現金がなければ、銀行からの追加融資も受けられない。生活費すら出ない窮迫生活を強いられ、やむなく売上高の一部を生活費にまわすと本部から店舗経営指導員がとんできて監視される。本部社員が数人がかりできて、金庫の鍵をとりあげ、二四時間監視がつづくともいう。
それでもらちがあかなければ、本部から「契約更新打ち切り」を通告される。
オーナーは店舗をとりあげられ、それまでの本部との取引勘定(オープンアカウント)が清算され、 巨額の借金だけのこされる。
買掛金には普通、利子がつかないのだが、この場合には五~七%の高金利までつけられ、ばくだいな借金にふくれあがるのである。
宮城県のあるオーナーの場合、もともと酒屋をやっていたが、九〇年ごろセブンイレブン本部からの勧誘をうけ、土地と建物を自前でもつ「Aタイプ店」を開店した。
ところが、本部がすぐ近くに同業のセブンイレブン店を開店したため、売上は急減した。
家計をささえるためオーナーは他のバイトに出たが、自分の家のセブンイレブン二四時間営業も保証しなければならず、バイトが欠勤すれば自分がかわりにシフトにはいる生活で疲労困憊した。
やむなく売上高の一部を生活費にまわしたが、すぐに店舗経営指導員の監視がはじまり、そのあげく「契約更新打ち切り」を通告された。かれは店舗二階の階段で首をつった。『人民の星』
6081号3面 2016年4月9日
「セブンイレブン、いい気分?」
以上、「もしも」の話でした。
でもホントにこんなことされたりしたら‥。
これまでの営業努力も何もかも全てが水の泡‥。
もうどうしようもない‥。
実体験としてオーナーさんの苦労を知る上に、具体的に生活している環境の中での目の当たりにしているシチュエーションそのものなので益々‥。
でも合法です。
ああ怖い‥。
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