もともと個人的に料理の世界の知識については疎く、料理人の呼び名と言えば昔ながらの「コック」(この呼び名は実は非常に危険。後述)、喫茶店の主人が「マスター」、せいぜいフランス料理では「シェフ」程度のものでした。
ですがここ最近は実に日本人らしく、フランス語・ドイツ語・イタリア語と何でもかんでも取り入れた料理人の呼び名が氾濫、もう何が何だか分からない状況になってしまっているので、一度まとめてみることにしました。
貴方はいくつ正確に答えられますか??
マスター・マイスター・マエストロの違いとは?
【マスター】は英語
【マイスター】はドイツ語
【マエストロ】はイタリア語
なので、基本的に意味としてはどれも同じです。
「親方」「熟練した者」「○○名人」という意味合いが込められています。
ただし【マエストロ】は、「巨匠」という使われ方をしているようです。
バリスタ・バーテンダーの違いとは?
【バリスタ】(伊: barista)は特にコーヒーの知識を幅広く熟知し、バー・カフェ・レストランのカウンターに立って、客の注文を受けて最高の一杯を淹れて提供するプロのこと。
【バーテンダー】はバー・パブ等のカウンターで、 カクテル・ビール・ワインなどのアルコール飲料を提供して客をもてなす者のこと。
パティシエ・パティシエールの違いとは?
【パティシエ】はフランス語で、ケーキ職人や菓子職人のこと。
一般的にはそうなのですが、細かく見ていくと
【パティシエ】は、菓子製造人を意味する名詞の男性形。
なので、
【パティシエール】は女性の菓子職人のことです。
コック・シェフの違いとは?
【コック】は見習いの人や普通の料理人のこと。
【シェフ】は料理長です。
【コック】はオランダ語の「kok」<コック>に由来していて、英語での表現は「cook」<クック>です。
ここにおいて、重大な問題が生じてしまっています。
英語で<コック>と発音すると「cook」ではなく「cock」。
男性器の意味になってしまいます。
料理人は、日本語では「コック」ですが、英語では「クック」です。
このことは何故かあまり知られていないらしく(?)ネット上の就職情報等おいても、平気で「コック」という単語が使われています。
実はこれって実体験でして、英語圏の人に「弟は何の仕事をしているの?」と聞かれた時、ちゃんと危険と知っていたのに「コック」と答えてしまい、大恥をかきました‥。
「コック」という呼び名は実は非常に危険、是非ともご留意あれ‥・
ソムリエ・ソムリエールの違いとは?
【ソムリエ】はレストラン等でワインを選ぶ客の相談に乗ってその要望に応えて提供の手助けをする、ワイン専門の給仕人専門職のこと。
【ソムリエール】はその女性版。
ちなみに、フランス、イタリアでは【ソムリエ】の 国家資格が存在しますが日本には無く、民間資格として日本ソムリエ協会(JSA)・全日本ソムリエ連盟 (ANSA) が認定する資格があります。
ショコラティエ・ショコラティエールの違いとは?
【ショコラティエ】はチョコレートから様々なデザートや菓子を作る、チョコレート専門の菓子職人のこと。(カカオ豆などからチョコレートを作る職人ではありません)
フランスでは国家資格として存在します。
【ショコラティエール】はその女性版。
板前と寿司職人の違いとは?
【板前】は日本料理店、寿司屋、料亭や割烹などで日本料理を提供する料理人のこと。
【寿司職人】はお寿司に特化した調理の仕事を行うプロのこと。
個人的なイメージとしては【板前】=【お寿司やさん】のみだったのですが、全く違っていました。
【板前】の語源を調べてみると、「板」は「まな板」のこと。その「前」。「板の前に立つ人」=「料理人」。
料理の世界においてはこの違いについては完全に分けて考えられているようで【板前】と呼ばれる人たちはホントはまともにお寿司を握れないそうです。(参考)
(【追記:2020年7月18日】上記のリンク先、
<http://www.ooborisatoru.com/entry/2016/08/22/165310>
は削除された模様。)
ということは、寿司屋で「板さん」(板前さん)と呼ぶことは失礼だったのか‥??
だからといって、「寿司職人さん」とも呼べないし‥?
こうなると、「大将」がもっとも無難なんでしょうね。
皆さんはどれくらい正確にその違いを答えられましたか?
私の場合、片方は何とか‥?というものばかりで「コック」は非常に危険以外、ほぼ全滅でした‥w
これに加えて「○○スタイリスト」「○○コンサルタント」「○○アドバイザー」などいう訳の分からないものまでをも理解しようとすると、もう頭が爆発してしまいます‥。
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