熱に弱いはずのビタミンCがお茶に含まれている? 何故壊れない??

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お茶は美味しい。

しかも、お肌に良いとされ、風邪に効くともされている(実はこれはウソながら)ビタミンCが豊富に含まれているとのことなので、実にラッキー。

日本人に生まれて良かった。

そこでふと思った。

ビタミンCは熱に弱いはずなのに何故お茶に含まれているのか?

もともとまともな形をしていたけれども、熱のせいで壊れてしまったいわばカスとしてのビタミンCが含まれているだけなのか? 調べてみました。



ビタミンCは熱に強い

基本、ビタミンCが熱に弱くてすぐ壊れてしまうということ自体が大嘘でした。

ビタミンCは加熱すると壊れるか

という実験を見るとその結果は明らかで、120分間もコトコトと加熱したものの濃度にほとんど変化はみられなかったようです。 さらに長時間加熱、26時間までやってみると水溶液中に含まれるビタミンCの濃度は小さくなった、と。

さすが実験。どんな食材にせよ普通はこんなに長時間煮込みませんからね。

更に続きがあって、ビタミンCの濃度に影響を及ぼすのは、熱のみなのか、それとも空気も関係があるのかについても調べてます。

加熱と攪拌の両方を行ったものの濃度が最も小さくなったというのはなんとなく分かるものの、意外にも、ただ攪拌のみを行ったものも濃度が小さくなってるんですね。で、それは「三角フラスコ内の空気と反応したからではないかと考えられる」とのこと。

ということで、調べてみました。

還元型ビタミンCと酸化型ビタミンC

熱に弱いのは酸化型ビタミンCです。

いわゆる「熱によってビタミンCが壊れる」というのは、「酸化型ビタミンCが水と反応して分解する」ことをいいます。

還元型のビタミンCは熱に強く、ほとんど分解されません。

が、ビタミンCは酸素と接触することで酸化が始まり、“ビタミンC酸化酵素”により酸化を早めてしまいます。

上記の「三角フラスコ内の空気と反応したからではないかと考えられる」はこれ、攪拌によって酸素に触れて還元型であったものが酸化型に変化して壊れやすくなったと。

つまりは、ビタミンCは熱を加えたところでほとんど分解されないし酸化しない。問題は酸素との接触にあるわけで、決して「ビタミンCは熱に弱くない」ということです。



ビタミンCは温水に溶けやすい

ビタミンCは熱に強いということは分かりました。なので、例えばホウレンソウなんかをグツグツやってる時に「壊れてしまう」という心配はなくなりましたが、水溶性ですので水の方へ溶け出します。

さらには水に溶けたビタミンC、もともと溶けている酸素や新たに追加される酸素と反応してしまう‥。

などというようなことを細かく考えていると、毎日の料理なんかできたもんじゃありません。実験じゃあるまいし。

ビタミンCは熱に強い、水溶性なので煮汁も(煮汁こそ)大切に

これだけで充分じゃないでしょうか?

敢えて言うなら酸化を避けるということでは、丸ごと茹でて後で切り分けるとか、天ぷらにして酸素との接触を断つとか、せっかくのコーティングを活かして皮のまま調理するとか。

一日あたりのビタミン摂取量は?

1日のビタミンCの推奨量は成人男女ともに100mgです。

茹でたホウレンソウ 100gあたりのビタミンCの成分、冬・30mg、夏・10mg。
その他、赤ピーマン 170mg、黄ピーマン 150mg、アセロラ 1700mg、キーウィ 140mg、焼きのり 210mg、フライドポテト 40mg、ロースハム 50mg、抹茶(粉末) 60mg などとなっています(いずれも食品100g中の含有量)

ビタミンCは耐用上限量については設定されていません。なぜなら大量に摂取したとしても腸管での吸収量は限られており、やみくもに仮に10倍以上を摂取しようとも、余剰分はほとんど尿から排出される仕組みになっています。

美容関連・サプリ関連のサイトではご多分に漏れず、相も変わらず自らの商売のために不安や恐怖を煽って一日に1000mg~2000mg以上などとしています。

強迫観念にとらわれないようにしましょう。ストレスをためないことの方がよほど美白・美肌のためには良い効果を生みますよ。

また、同じ摂取でも吸収量でみると空腹時では吸収率は20~50%(平均34%)ながら、満腹時には45~60%(平均52%)と大きく吸収率が伸びます。

以上のことから、一度に大量に摂取するよりも数回に分けて摂取するのが最も効果的であって、三度の食事で滞りなく摂取するという方法が吸収率は高くなりベストのようです。


ビタミンCの摂取のために食後にお茶を一杯というのは実に理にかなった行動なのかもしれません。

個人的にはビタミンCについては二の次で、とにかくお茶は美味しい」これだけなんですが‥。


 

 

 

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