ネットビジネス心理学を考える【ハロー効果】

例えば、ある人が有名大学卒だったり、英語が話せたり、スポーツ万能であったりした場合、その評価だけから、仕事においても優秀である、規律に正しい、人格的にも優れているなどと思い込んでしまうことがあります。
本来それらの事柄と、仕事ができるか、規律が正しいか、人格的にも優秀かということとはそれぞれが独立したもの、別物であるはずです。

このように、ある対象を評価をする時、目立った特徴に引きずられてしまって、その他の側面ついても同じであるかのように評価が歪められてしまう現象を【ハロー効果】と言います。

“ハロー(Halo)”とは、「後光が差す」という時の“後光”、聖像の光背や光輪のことで、「光背効果」・「後光効果」とも呼ばれます。

ネットビジネスにおける【ハロー効果】

【ハロー効果】には、“ポジティブ・ハロー効果”“ネガティブ・ハロー効果”とがあります。

上記のものは歪んで高く評価していますので、ポジティブ・ハロー効果です。
ネガティブ・ハロー効果はその逆で、ある評価をする際、ある顕著な特徴を低いと評価した場合に、その他の別の評価も低くしてしまうという現象、ということになります。

コマーシャルで好感度の高い芸能人が広告に起用されるのは、【ハロー効果】を上手く利用した宣伝手法です。

その有名人やタレントの良いイメージを通じたCMや広告は、実際にその商品やサービスを使ったり利用したことがないにも関わらず、良いイメージを与えることとなって購買意欲が刺激され、購入へとつながります。

一方、CMに起用された芸能人が不祥事を起こしたりすると、商品自体には何の不満も覚えていないにも関わらず、購買意欲が削がれたりします。

ネットビジネスにおいての【ハロー効果】の一例としては「口コミ」があります。

「口コミ」評価が高い場合、「このだけ大勢の人が高く評価しているんだから、良い商品に違いない」というイメージが先に立って実際の質よりも良く思う傾向にあり、逆に「口コミ」評価が低い場合は、実際に品物を手にしていなくても悪いイメージを持ってしまって、積極的に購入しようとは思わないでしょう。

その他としては、「Twitter・Facebook等のSNS」・「受賞歴」・「売上数・売上金額などの具体的な数値データ」にも【ハロー効果】は期待できます。

加えて「権威をもった専門家の感想や意見」はその効果が大きく発揮される、ということも押さえておくべき事項です。

例えば、どこの何者か分からない人間の多数の高評価よりも、医者や科学者、弁護士などの専門家による一つの高い評価の方がはるかに説得力があるということです。


以上、ネットビジネスを行う上では【ハロー効果】は大いに利用できるものですが、ポジティブな面とネガティブな面があって良い方向にも悪い方向にも働く、ということは常に意識しておかなければなりません。

ネット上の詐欺師たちも、この【ハロー効果】を多用しています。

“人間というのは実に単純なイキモノ”です。

注意しましょう。

コメント