老化・アンチエイジングの流れで「活性酸素」(≒フリーラジカル)について調べていました。
初めて「活性酸素」という言葉を耳にし、これが老化(身体の酸化作用 = 錆)の原因と関係していると聞いた時に、化学は専門でもなく全く分からないので「ならば “中和” ということで、対抗するには「活性水素」でしょう」とただ単純に思いました。
その後、テレビで “病気を治す不思議な力を持った奇跡の水” ということで、メキシコの【トラコテの水】が紹介され、その秘密として「活性水素」が多く含まれているとあり、「来たか・・」と思ったのを覚えています。
あれから数十年・・(?)
いまや巷に「水素水」の文字があふれるようになったことで、あらためて調べてみたところ、楽天市場においては、なんと14,038件ものヒット数、価格で並べてかえてみると・・高い・・。
楽天市場 「水素水」での検索結果
どうやら「水素水」はあやしいぞ・・?
2007年に医学雑誌『Nature Medicine』に「水素(H2)の生体への有効性」の論文を発表したのが、日本医科大学大学院医学研究科の太田成男教授だそうです。
以降、「どうやら水素ってのは身体にイイらしい」となり、現在のブーム(?)に繋がっているようです。
それにしても「効果なし」「根拠がない」「ウソ」「インチキ」というワードが多発するので、より詳しく調べていたところ出会ったのがこちら、
山形大学理学部物質生命化学科の天羽せんせいの公式ページです。
身許を明らかにした上で、入手でき得る情報を元に化学者の立場として、「コメントしてみる」という形で、具体的な商品名や販売元を明示して「効果なし」「根拠がない」「ウソ」「インチキ」とぶった切っています。
なので中には、訴訟を示唆したクレームを寄こす会社もあるようなのですが、それらに対しても真正面から堂々と議論し戦い合うというような、なかなか相当、骨のある人物です。
中でも衝撃的だったのが、大手飲料水メーカーへの名指しでのコメントでした。
http://www.cml-office.org:8080/official/wwatch/alkalli/comment-ph-07
「水に対する水素の溶解度は小さいので、水素を溶かした水を飲んでも体に入る水素はわずかで、血液中の水素濃度も変わらず効果も期待できないだろう」と、まったくの素人ながらも個人的に気になっていた点についてもモロに触れているし、「アホな製品を買い続けると、知識も技術もあるはずの企業でさえ、消費者のレベルに迎合した商品を出さなければならなくなる」とまで言い切っています。
これを受けて調べてみたところ、色々見つかりました。
昨今の「水素水」ブームを作った太田成男せんせーのページ。
http://shigeo-ohta.com/%E6%B0%B4%E7%B4%A0%E5%8C%BB%E5%AD%A6%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/
「効果が一切ないことを知りながら顧客を騙し、法の抜け穴をかいくぐってこんな商売をするとはなんと悪質な。」
http://netgeek.biz/archives/74401
藤原紀香の名前が出て来たので気付いたんですが、今は早見優がCMに出ていますよね。
http://www.kenkoukazoku.co.jp/cm/index.html
その他、「水素水」で調べて出てくるタレント名は、辻希美・紗栄子・山田優・押切もえ・May.J・安田美沙子・はるな愛・一路真輝・SHIHO・富岡佳子・辰巳琢郎・・・等々。
モロのCMかステマなのかは置いといて、ホントに「水素水」に関わっていて大丈夫なのかな・・。
活性酸素の一種を抑制する水をつくるとうたった装置
-飲用による効果を表したものではありません-http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20160310_1.pdf
(平成28年3月10日 独立行政法人国民生活センター 報道発表資料)
(追記 : 2017/06/28)
“水素水がガンに効く”広告うたい書類送検
水素水についてガンなどの原因となる悪玉活性酸素の排出を助けるなどと広告でうたっていたなどとして、スーパーマーケットの社員の男ら3人が書類送検された。
書類送検されたのはスーパーマーケット「ジャパンミート」本社の食品部長の男ら3人。警視庁によると、3人は去年、医薬品として承認を受けていない水素水を「老化や病気の原因となりうる悪玉活性酸素を体外に排出する」などと効果があるとうたい、販売目的で保管した疑いなどが持たれている。
食品部長の男は自分で広告を作り、陳列するよう指示していたということで、調べに対し「商品名と値段を表示しただけでは売り上げが伸ばせないと思った」などと容疑を認めているという。(日テレNEWS24)
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