「今のところちょっと巻き戻して」
「チャンネル回して」
って言ってませんか?
「ダイヤルを回す」
もそうです。
一昔前まではレコーダーも、テレビも、電話もすべて「回転系の機器」でしたからね。
この「回転系機器」関連の言葉が今どきの世代には通じなくなっているようです。
調べてみると2014年、twitterにて@ironkumarさん(“非公開”となっていて見られないものの一応リンク)が「甥(おい)っ子に『巻戻しって何?』と聞かれたからリモコン見せたら そんな言葉は無かった」というツイートが話題になりました。
「まじか!?」と思って確かめてみたところ、手持ちのDVDのリモコンでは「早戻し」となっていました‥。まったく気付いていなかった‥。
今となっては良い思い出です‥(?)。
いつ頃「巻き戻し」から「早戻し」になったのか?
どうやら「巻き戻し」という表記がなくなったのは、西暦2000年前後。
あのノストラダムスの大予言のころ。
記録媒体がビデオテープからDVDやハードディスクに移行しはじめた頃に「早戻し」の表記に切り替えられたようです。
各メーカーの現在の表記と変更した時期 | ||
メーカー | 現在の表記 | 変更した時期 |
シャープ | 「早戻し」 | 1997年のDVDプレーヤー以降。 |
ソニー | 「早戻し」 | 2003年に発売されたDVDレコーダー(RDR-A21)以降。それ以前のリモコンには文字による表記はなく、三角形の巻き戻しマークのみで表記。 |
東芝 | 「早戻し」 または 「三角マーク」 | 2001年ごろから発売されたDVDレコーダー以降。 |
パナソニック | 「サーチ/スロー」 | 2002年以降、「早送り・巻き戻し」ともに「サーチ/スロー(正逆どちらも)」という表記に変更。 |
(参照 : ねとらぼ)
10年以上も「巻き戻し」という表記の消滅に気付いていませんでした‥。
余談ながら、いまだに個人的には「録画した」ことを思わず「ビデオに録った」と言ってしまいそうになります‥。
今はチャンネルは「回さない」けど‥
今や懐かしきブラウン管のテレビ‥。
チャンネルはガチャガチャとつまみを回して合わせるものだった。
「チャンネル回して」と言わないのならば、今は何と言うのか?
「チャンネル替えて」だそうです。
しかしながら斬新な意見もあって、リモコンのチャンネル↑↓ボタンを押してるとひと回りして元の番組になるから「チャンネルを回す」で良い、とも。
「ちがうチャンネル押して」「他のチャンネルかけて」というのもありました。
もはや「ダイヤルを回す」ことはなくなったけど‥
昔懐かしの黒電話。
警察への通報の番号「110」、ダイヤル式の電話を使用していた頃は「ジーコ‥ジーコ‥」と巻き戻っていくのに一番遠い位置にある「0」のダイヤルを回した後の、そのわずかな瞬間にでも少しでも気持ちを落ち着かせようという配慮だった。
「119」も同様。
これはもう今や昔の話で、プッシュホンになってからは全く意味なし。
“ダイヤル 回して 手を止めた〜 ♪ “「恋におちて」(小林明子)
これもまた意味なし、というか、伝わらないということになる。
が、ここで言いたい。
いまだに使われてるぞ、「フリーダイヤル」!
ダイヤル、ダイアル (英語: dial)
アナログ時計やアナログメーターなどの、円盤状の文字表示面。および、昔の電話機やテレビチューナーなどで使われた、同様のものを回転できるようにした入力機器。(Wikipedia)
DVDデッキでの「巻き戻し」はディスクに負担を掛けるのか?
ここに至っては「巻き戻し」ではなく「早戻し」ですが、DVDでの再生において、いくら「早戻し」をしようが、DVDディスクそのものへの影響はありません。
ビデオデッキの時代は、その「巻き戻し」の操作のごとに苦しそうな音を発し、実際に物理的な接触があっての再生でしたので、ビデオテープの劣化に関して「巻き戻し」について大いに問題とされる行為でした。
ですが、DVDディスクはビデオテープとは違って、レーザー光線でディスクに記録されている凸凹のデジタル信号を読み取っているだけなので直接的な接触は無く、よってディスク自体の磨耗・劣化はありません。
ただまあ、無茶な「早戻し」は、レコーダー本体への負担になるでしょうけど‥。
特に肝となるのは、DVDプレーヤのピックアップ部分(信号を読み取りする部分)。
レンズです。
ゴミやほこり、タバコのヤニなど、ここがいかれると「再生」ができず、壊れたということで修理へ‥というパターンとなります。
分解して、ちゃっちゃとアルコール付きの綿棒で掃除してあげれば済むことながら‥。
DVDディスクの保存方法は?
DVDのディスクをプレーヤーの中に入れっぱなしでもいいのか? というと、良くないです。
保存したデータは、デジタル信号で記録されているのでデータの経年劣化はありません。また録画や再生はレーザー光によって非接触で行われるため、繰り返し使用してもディスクの摩耗による寿命はありません。
が、経年によるディスク自体の物理的な劣化は避けられません。
・高温多湿の環境を避けて保管
・直射日光にさらさない
・急激な温度変化をさける
・傷・汚れを防ぐためにケースに入れて保存
これらに注意していれば、10年、20年は平気で保ちます。
(実験から良品を適正な環境下で保存管理した場合、その寿命は100年という理論値が出ているそうです)
その他「回転系機器」でいうとレコードやカセットテープもそうですよね。
A面B面、これはもはや今後は使われることはなさそうな‥。
「A面で恋をして」by ナイアガラ・ トライアングル(大滝詠一、佐野元春、杉真理)。
ところで英語では、
「早送り」はFF (Fast-Foward)
「巻き戻し」はREW (REWind)
これって確かCDプレイヤーのリモコンで採用されてたような‥?
表記はこう統一するっていうのも一つの手かもしれません。
でもまあ、言葉にするときにはやっぱり「巻き戻して」になるんだろうけど。
コメント