落雷‥。個人的には2度ほど経験しています。もちろん直接的な被害ではなく、ごくごく身近での経験という意味で。
1回目は小学生の時、日曜の夜に自宅でテレビを見ていたら、一瞬のパッという目映い光と同時の「バーン」という大音響で停電しました。外に出て行くと当然辺り一面真っ暗、目と鼻の先の電柱の変圧器にカミナリが落ちたらしく、まだ煙が出ていました。
2回目はこれまた小学生の時で、山の中でのキャンプ、夕方から降り出した大雨、テントを張って寝ていた真夜中に大音響で叩き起こされました。次の日、山中へのトレッキングをはじめるとすぐそこに、黒く焼け焦げた半分に割り折られた太い幹があり、連絡がどうのと大人たちが騒いでいたのを覚えています。
落雷の種類
直撃雷
文字通り直接的な落雷のことで、最も被害が大きく致死率も非常に高いです。
公園・プール・グラウンド・ゴルフ場・砂浜などの開けた場所、建物の屋上・山頂や尾根などの高い場所で起こりやすいものです。
ただ、人体への直撃雷は実際の事故においては稀なようです。
側撃雷
物体に落雷した電流が、その周囲にある物体や人に再放電する落雷のことで、
迷信を信じて高い木の下に避難したり、雨宿りをしているときなどに起き、実際の落雷による死傷事故のほとんどがこの側撃雷によるもののようです。
誘導雷
どこか近くの木に直撃雷があったりすると、 その付近には非常に強い「電磁界」が生じます。(「電磁界」というのは「電界」と「磁界」を合わせたもので、例えば、コンセントを差し込むとコードには電圧がかかって「電界」が発生し、スイッチをONにして「電流」が流れることでコードには「磁界」も発生、「電磁界」が形成されます)
落雷による電磁誘導現象(「磁界」に変化があったとき、それを妨げる方向に”電流”を流そうとする電圧が生じること)で、「電界」に強さの差が生まれて発生する電流のことです。
侵入雷
送電線や配電線などへの直接の落雷、または近くの建造物や樹木などに落ちた雷の電流のあまりが電線などを通じて建物の内部に入って放電するものです。
電化製品などの機器に到達しますので、これらのそばにいることで被害を受ける場合があります。
カミナリを捕まえる!!
リヒテンベルク図形(Lichtenberg figure)をご存じでしょうか。
雷にうたれると電気が通った筋道に「電紋」といわれる特徴的な跡が残ります。
簡単にいうとヤケドの跡ですが、その形状はさまざまながら、よく見るいつもの雷の形、樹形状の幾何学模様をそのままに残している場合もあります。
まずは、カミナリを閉じ込めて商品として販売しているページをご覧ください。
Captured Lightning
キレイ・・欲しいなあと思っていたところ、その作り方(?)を紹介しており「気に入った人は持って帰っていいですよ」とのこと。
人工の雷模様を作ってみた
家から近いしメールしてみようかな・・。
カミナリに撃たれた! でも生き延びる!!
落雷被害の世界記録としてギネスブックに認定されているのは、アメリカのロイ・C・サリバンの7回です。
このような特殊な例は別として、実際にゴルフ場でプレー中に雷の直撃を受けた、登山をしていた女性が雷に直撃されたにも関わらず生還できたという例があります。
理由としては、身につけていた金属です。
ゴルフプレーヤーの場合はゴルフクラブ、登山の場合はピッケル・ハーネス・カラビナなどのおかげで、電流が上手く体の表面を伝って流れて地面に放電されたということのようです。
雷対策として昔よく聞かされた、ネックレス・メガネ・ベルト、時計などの金属製のアクセサリーは全て外すという話、現在は雷のその圧倒的な高電圧に対しては小型の貴金属の有無などは、まずはほとんど関係ないとされていて、むしろ逆に上記の例のように、金属製品よる人体を流れる電流を軽減させる効果が確認されているそうです。
これはたまたま運良く助かった例でのその理由を述べただけであって、実際の落雷の場面に遭遇した人の体験からでは、金属を身につけているとダメとか、レインコートや長靴などのゴム製品を装備すればいいのかとか、「樹木の先端を4m間隔を空けた場所から見上げて45度以内が「保護範囲」」という対処などは一切通用しないということです。
さて、落雷を受けました。
確かに雷に撃たれた時の特徴的なヤケドの「電紋」見られるようです。実はこのヤケド、雷による電流はほんの一瞬で流れてしまうため軽度であることがほとんどだそうで、もし冷やせる状況にあるならば冷やす程度の認識で大丈夫です。
それよりも雷を受けて感電しているわけですから「心室細動」への対処が最重要です。
「心室細動」を起こすと数秒のうちに失神、2~3分以内に心肺蘇生を開始してすばやく正常な鼓動に戻さないと、死亡します。
街中であれば、今や銀行・交番・駅・スーパー等いたるところで見かけるようになったAED(自動体外式除細動器 [Automated External Defibrillator])を使用して「除細動」すればいいのですが、アウトドアの現場ではそうはいきません。
よって、脈拍・呼吸ともに止まっていること(心肺停止)を確認したら、直ちに心肺蘇生法を始めます。
(【追記:2020年7月18日】上記のリンク先、
<http://www.fdma.go.jp/html/life/pdf/oukyu2.pdf>
は削除された模様。)
AEDは音声ガイドで作業手順を導いてくれますが、それを開始するまでの準備に何分も掛けていては全く意味がありませんし、心肺蘇生法も知識で知っているのと実作業とはまるで違いますから、お近くの市役所や消防での講習会のスケジュールを確認して、一度は受けておくことをおすすめします。
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