【キャンプ】全てが整った状況なんてキャンプじゃない!!という貴方へ・水難事故

電気もあって、水道設備も整い、下手すりゃそばに売店まで揃っているキャンプ場。

いわゆる、オートキャンプ場。

「こんなのキャンプじゃない。単なるアトラクション施設だろ」と思っているアナタ。

日常を忘れ、何にもない大自然の中に飛び込んで、不自由・不潔・(多少の)危険、これら全てを受け入れるってのが本来のキャンプと思っているアナタ。

“あの事故”のことはご存じでしょうか?

あれからもう17年‥。
《歴史は繰り返す》といわれますので、書いておきます。

死亡事故、キーワードは「雨」「増水」

“あの事故”というのは、1999年8月14日、神奈川県足柄上郡山北町で起こった「玄倉川水難事故」のことです。
(当時、貴方は何歳でしたか?)

「キャンプ」で検索すると、楽しそうな・にぎやな検索結果ばかりヒットするものの、
「キャンプ 事故」では様相は一転、暗黒のネタで埋め尽くされます。

17年も前の出来事なのに、何故これほどまでに人々の記憶に残っているのか・・。

「玄倉川水難事故」(DQNの川流れ)の詳細については検索結果の方が詳しいですし、その動画も見られますので、そちらを参照してください。

ここではこの事故を引き起こしたそもそもの原因である【無知】について述べたいと思います。

《中州 = 川の底》

実は上記の事故の当日、この命を失ったグループ以外にも、キャンプ指定地でない場所キャンプをしていた人たちが多数いました。

が、売店店員や地元住民、ダム職員等による“増水の危険・避難勧告”素直に従って水際を離れたため、死”には繋がりませんでした。

ってか‥だいたい‥。
中州を含めた水際なんぞにテントを張り、を飲んでバーベキューやら花火をと浮かれ楽しんだあと、一夜を過ごす‥って‥ね。

こんな異様な感覚を持っている時点で次なる犠牲者候補”です。

今回は運良く“増水の危険・避難勧告”を知らせてくれるヒトがいて、これに対して“素直”に従ったからたまたま死なずに済んだだけなわけで?

あの日、“危険”を知らせてくれるヒトたちがいなかったならば、きっともう‥今頃はこの世にいませんので‥。

【無知】という点においてはイコールですから。

そもそも大前提として、中州というのは“川底の土砂等が堆積して形成された場所 = 川の底に沈む場所です。

だから、出来たんですよ? 中州は。

こんなところでの「キャンプ」って‥。
常識的にありえないだろ‥っていうこの感覚‥。
分かってもらえます‥?

大切なヒトたちを巻き込んでの、これほどの愚かな行動‥。
すべては「無知」がなせる技‥。

足下に転がっている石の大きさを見るだけで、”こんなものが流されてくるのか‥”とその水流の程度簡単に予想できますよね?

加えて、それらの石、コケも生えていない‥。
辺りを見てみると、雑草も生えていない‥。
となると?? (アナタの回答は??)

これらが生育する間もないほど、頻繁に“川の底”にある場所。

《中州 = 川の底》 です。

 

どれほどの水量なのか?

中州川底に沈んだ場合、どれくらいまで「増水」するのか?
(アナタの回答は??)

周辺の状況に目をやってください。川の両岸に。

・植物群、どれくらいの高さまで生えていますか?
・川岸の壁、どれほどまでにえぐられていますか?

その川、そこまでの深さまで、その勢い「増水」します。

ちなみにですが、“膝”を基準として、その上下までの「増水」となると(水流との兼ね合いもあるものの)、もはや歩くことは不可能、流れに逆らって立っているのがやっとの状態に追い込まれます。

アナタが「キャンプ」しているその場所、安全ですか‥??

中州の天気は”晴れ”だから大丈夫?

中州というのは、川の中流域にあります。
(下流域においては“三角州”です。)

仮にその中州の付近は晴れているとしても、川上、上流域天気大荒れだった場合は‥?

言うまでもなく、上流域で「雨」として降った水は川に流れ込み、下流に向かうこととなります。

その間にも水かさは増し、中流域以下では(その規模の大小はともかく)洪水を起こします。
これがいわゆる鉄砲水”です。

これまでは足首程度水量だったものが、なんの前触れもなく、いきなり膝上あたりまで来るのに何秒”くらい掛かると思いますか?(アナタの回答は??)

《10数秒》です。
(というか、「でした」。ネット上で見つけた実際の外国の“川流れ事故”のなかなかエグい動画にてカウントした結果として。)

前述のとおり、膝”までの「増水」となると、流れに逆らって立ち続けるのがやっとで、歩くことなどできません。

「無知」を理由として無謀にも中州なんかにテントを張り、皆で楽しくバーベキュー‥。

さて、ふとした瞬間‥。
川の異変に気付いたアナタ‥。

運命の時間”を迎えるまでの猶予はたったの《10数秒》‥。

せっかく買ったテント、お気に入りのBBQ用品財布バッグなどの私物‥。
一瞬のうちにこれら全てを投げ出す判断を下さなければならない状況にあるわけで‥?

アナタ‥逃げられますか‥?

救出・捜索費用

上記「玄倉川」の事故に掛かった費用は、山北町が負担した額が4800万円、神奈川県警察が要した費用が1億円(同日に起こった別件の水難事故1件の人件費含む)です。

今回の件においては、これらの費用はすべて公費負担でした。

が、下手をすれば残された遺族へ請求がくるかもしれませんよ??(実際に17年経っても未だに、この事故で生き残った人たちに対して毎年(というか常に)、公費で支払われたことに納得できないヒトたちは「早く返済しろよ?」の状態ですし、プラスして、当時幼い子供だった助かった女の子、成長してブログでこの件に関してポエムっぽく語ったことで大炎上という現状です。)

こうなると、もはや【無知】であることは、【罪】です。

今回の記事の内容、知っておいて損はないと思います。

 

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