今や昔‥あの「姉歯事件」として話題となった「耐震偽装問題」。
2005年11月17日に国土交通省が関係者と名乗る者からの電話の告発をもとに、千葉県の建築設計事務所の1級建築士の姉歯秀次氏が、地震などに対する安全性の計算を記した「構造計算書を偽造」していたことを公表。
民主党・馬渕澄夫議員、その秘書だった大西健介、ヒューザー社長、イーホームズ社長、木村建設社長と元支店長、と懐かしい名前が並び、結局、東京地方裁判所が懲役5年、罰金180万円の実刑判決を言い渡したという事件。
2011年3月11日、東日本大震災。
当時「震度5か6で崩壊」とマスゴミどもが報道していた「姉歯物件」ですが、1棟もヒビ1つ入っておらず、びくともしなかったそうです。
当時の姉歯氏の言葉、
「耐震に関してはかなりの強度を保っておりますし、震度7や8にも十分耐えられるはずです」
けどまあ、それは結果論。日本は法治国家。
国土交通省様が定めた「耐震強度」についての法律を破ったことに対して罪に問われることは当然ですわな。
ちなみにですが、この事件において2名の自殺者を出しています。
姉歯氏に「構造計算書」を発注していた「森田設計事務所」の代表取締役社長が神奈川県鎌倉市で入水自殺(全裸で白色の肌着とYシャツが左手に巻きついた異様な状態ながら、右足を骨折していることなどから崖から飛び込んだと判断され、死因は水死)。
姉歯氏の妻が、千葉県市川市富浜のマンションから飛び降り自殺。
最上階の7階廊下から手すりを乗り越えて飛び降り、車の屋根に落下。
事件発覚前から、うつ病を患い、入退院を繰り返していた、とのこと。
マンションの欠陥を見抜く方法
2015年10月に発覚した横浜のマンション「パークシティLaLa横浜」の事件。
こちらは「姉歯事件」での「耐震偽装問題」ではなく、基礎工事においての「杭打ち不良によるマンション傾斜問題」です。
意図的な虚偽データに基づいた工事が行われた結果、複数の杭が地中の強固な地盤に届いていないことが判明して建物が傾いたという不祥事が発覚というもの。
(画像参照 : 北の国建築工房株式会社 )
どうすれば欠陥マンションを見抜けるのか?
まだ建ってもいない新築マンションの欠陥を見抜くのは、やはり難しいようです。
なんせ、いまだこの世に存在していないんですから‥。
なので、判断基準としては今回の「三井不動産」「三井住友建設」などという日本を代表する大手企業の名前、これをもって決断するしかない。
でも、実際に現場で作業しているのは下請けの企業なんですよね‥。
現実をいうならその下の「孫請け会社」、さらにその下の名も無き「ひ孫請け会社」が実質の作業を担当しています。
統括として「元請け企業」の大学卒業直後の新入社員であるニンゲンなどが監督の立場として、とりあえず現場には存在はしていますが。
「不正」に対してどれだけ意識が低くなるか、逆に「不正」を正すことに対してどれだけ力がないことか、お分かり頂けることでしょう。
以上、実体験より。
最後にもう一つ実例。上の立場の会社の人間が飲み終えたコーラの缶を、目の前で流し込んでいるコンクリの中に放り込んで処理しているのを目撃しました。こちらは下請けのアルバイト。何をどうすれば、何が変わっていたでしょう?
発覚するまでの年月というのも大きな問題。
「パークシティ LaLa横浜」の完成は2007年11月。
「杭打ち不良問題」の発覚が2015年10月。
例えば中国で行われているような「偽装」や「不正」、素手で握っても簡単に砕けるコンクリート、鉄筋ではなく実は竹筋だったという突飛に過ぎる発想、日本においてはこんな分かりやすい「偽装」「不正」を犯すことなどまず有り得ません。
であるからこそ、ややこしい‥。
まだ建ってもいないマンションを大企業の名前を信用して購入するなどという行為は、もはや掛けごと、ギャンブルですね‥。
それでも欠陥マンションを見抜く!
まだ存在していない新築マンションの欠陥を見抜く方法を調べていたところ、もしかして「有効では‥?」 と思えるものがあったので、とりあえずご紹介しておきます。
マンション建設地の地元の一級建築士に調査を依頼する
図面を持って訪ねましょう。現場にも同行しましょう。
もちろん、その建築士は当該マンションとの建築に利害関係が無い人、ということは言うまでもありません。
完成時期と入居時期が1ケ月以内のマンションは避ける
当たり前ですが、建物が完成すると施工会社と開発事業者によって問題点がないか、何度も入念に確認の作業が行われます。
その結果、見直さなければならない箇所が存在した場合にはすぐに補修工事が行われ、欠陥を未然に防ぐことができるわけです。
通常、この確認作業には少なくとも1ヶ月という期間が必要であるため、もしも1ヶ月未満しかないという場合には適当な確認しかされていない可能性が高い、ということになります。
よって、建物が完成してから最低でも1ヶ月以上経ってからの入居としている物件の方が良心的であり、安心ということです。
(ただこれを逆手にとって、不十分な確認作業のままに敢えて入居時期を2ヶ月にするなどの悪質業者も存在するそうなので、ご注意を‥)
「直接基礎」のマンションを選ぶ
マンションの基礎工事には大きく「直接基礎」と「杭基礎」の2つに分けられます。
地盤が頑丈である場合に行われるのが「直接基礎」。
杭などの道具を使うことなく、直接地盤に基礎をつくるものです。
対して軟弱で不安定な地盤である場合には「杭基礎」が行われます。
何十本もの杭を地盤に打ち込むことで基礎を安定させる補強基礎工事です。
しかし、この基礎工事に欠陥があると、今回の三井不動産レジデンシャルの物件のように建物が傾くことになります。
やはりマンション選びでは、「杭基礎」ではなく「直接基礎」である物件のほうが安心で、おすすめです。
地盤の弱い土地の物件は避ける
その地名に「水」関連の単語が含まれる土地は地盤が弱いとする考え方です。
ちなみにですが、今回の三井不動産レジデンシャル「パークシティLaLa横浜」の住所は、神奈川県横浜市都筑区池辺町4035-13。
「池辺」という「水」関連の単語が入っていましたね、たまたま。(?)
「水」を連想させる地名を持つ土地は、その昔は「沼」「川」「池」「湖」「湿地帯」などであった可能性が高いために地盤は軟弱、ということです。
分類 | 文字 |
---|---|
さんずいの付く字 | 水、澄、淀、潮、汐、清、落、洗、浮、流、湘、汲、濃 など。 |
地形から | 島、崎、津、江、洲、潟、浦、沖、瀬、浜、磯、海、淵、溝、川、河、岸、泉、滝、沢、池、谷、窪、坪、裾 など。 |
水辺の動物 | 鷺、鴨、鶴、鵜、鴻、池、亀、蟹、貝、龍 など。 |
水辺の植物 | 稲、萩、井草、葦、芦、管、蒲、蓮、柳 など。 |
人工の構造物や物 | 田、掘、濠、堤、舟、井、橋、渡、坂、網 など。 |
土質から | 泥、砂、須賀(砂礫)、五味(微細な土砂) など。 |
(引用先 : ジオテック株式会社 )
(画像出典 : gendai.ismedia.jp)
(画像出典 : Kanagawa Rescue Support Bike Network)
ただし、現在の地名と旧地名の違いには要注意、です。
「きれいな地名」は要注意
自由が丘をはじめ、日本全国には「○○が丘」や「○○台」、あるいは「希望」や「光」といった明るい意味の単語を使った地名は数多い。そのほとんどは近年つくられたばかりの新興住宅地。ところがそうした場所は、古い地名が災害と関係していることがしばしばある。
(週刊現代)
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ほう‥。ならば、旧地名とやらを自力で調べてやりましょう‥。
その流れをざっとまとめておくと、
【法務局で旧地名を調べる】
法務局の登記簿において、「字(あざ)」の部分を確認する。
ただ、登記事項証明書を取得しても、現在は登記簿がPC化されたために「字」は記載されていないことが多く、そうなるとPC化によって閉鎖された「閉鎖登記簿」を閲覧することになります。
しかし‥その表題部が途中で書き直されるなどで「字」が記載されていないこともあって、その場合には表題部が作成された当初に書かれた地番、日付を手掛かりに、さらにそれ以前の「閉鎖登記簿」を閲覧することになります‥。
しかも‥「閉鎖登記簿」によりある程度は年代を遡れるものの、あまり古いと保存されていない場合もあるので、その場合は改製前の「旧公図」(旧土地台帳附属地図)を閲覧することで分かるケースもある、とのこと‥。
政府機関による国家プロジェクトなのか‥?というほどの、ハリウッド映画レベルのめんどくささ‥。
【図書館や資料室で旧地名の由来を調べる】
それぞれの市町村区中でのメインの図書館へ行って、郷土資料として地誌や地名の由来に関する資料を調べます。
その中で「地名の変遷」のようなタイトルの資料を見つけ出して、地域ごとの「字」が記載されたものを探しましょう。
図書館によって、明治・大正時代の「地籍図」やそれを復刻したものを備えている場合があり、該当エリアの「地籍図」があれば一目瞭然なのですが、現在と地形が違うなど、場所の特定が難しい場合もあります。
【市区町村役場で調べる】
最近では役所内に自由に閲覧できる資料室を備えたところが増えていて、これを利用することで目的のデータが見つかる場合も。
また、役所の住居表示を担当する課などでも過去の資料を備えているため、相談に行けば調べてもらえることがあるそうです。
<新築マンションの9割が「欠陥マンション」>だと!?
恐ろしいことを言い放っているサイトを発見しました。
新築マンションの9割が「欠陥マンション」だ
なぜマンションは完成前に販売されるのか(東洋経済ONLINE)
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上記の本の著者である船津欣弘氏(総合検査 代表取締役)へのインタビュー記事です。
詳しくはリンク先の情報、何より著書を読んで頂くとして、ご本人もかつては新築マンションを購入して居住していたそうです。
が、建築検査の業務に携わるうちにマンションにまつわる諸問題の大きさを知ることとなり、賃貸のほうがリスクが少ないと判断して賃貸派に転身、所有していたマンションは売却してしまったとか‥。
ただ、
とはいえ、やはり自分のマンションが欲しい。そう思う方には、「2003~2005年竣工(築11~13年)で、なおかつ大規模修繕を実施済み」の物件がお勧めです。中古マンションと侮るなかれ。後の2006~2007年ごろの不動産プチバブルと言われていた時期に竣工したマンションに比べ、地価も平均工事単価も低かったため、全体的に割安といえます。
ただ、築11~13年経過程度であれば大規模修繕を実施していない物件もあるでしょう。その場合は、2000年以前に竣工した物件で、1回目の大規模修繕を実施済み物件(築16年程度)。築年数を気にしないのであれば、2回目の大規模修繕を実施済み物件(築20年程度)も候補に挙がります。
とのこと‥。
“マンションのように大規模な建物の場合、多いケースで約30社もの業者が関係する工事もある”など、あまり見聞きしない内部事情についても異様に詳しい‥。
実際に現場を体験している私からすると、きっとこの人は本物ですね。
そこで「新築マンション」に敢えて拘ることなく「中古マンション」の購入でも‥? と心変わりされた方や、すでに購入してしまった方のたの「マンションの売却」に役に立ちそうなサイト、及び「賃貸」に関するサイトをまとめてみました。
ここに前述の「それでも欠陥マンションを見抜く!」 を加えてもらえれば、もはや完璧でないのかな?と‥。
「中古マンション」の購入
「マンションマーケット」は、日本最大級のマンション相場サイトだそうです。
トリバゴ vs トラベルコ ほどの「売り」は持っていないように感じますが、調べたところ、【プロが使う】過去の取引のデータベースサイトの一つ、だそうです。
まあ無料での資料を請求、自ら確かめてみて、というのが正解だと思います。
同業他社では、ウチノカチ ・REINS ・東京カンテイ などがあります。
「Renosy」 は、「中古マンションをリノベーションで理想の住まいに!」をテーマとして掲げている会社です。
セールスポイントとして「「中古マンション×リノベーション」は、新築よりもお得に、新築並みの綺麗さと注文住宅のような自由さで、自分好みの住まいを実現できます」とあります。
加えて、「こちらのリノベーションは、物件仲介手数料最大0円で、さら最大10年間の保証付き」、だそうです。
もはや「新築神話」に拘っている人種ってのは、日本人だけとなってしまっているような‥。
欧州なんぞでは「うちの家ってどれだけ昔から建っているか知ってる?」とか、自動車なんかにおいても「この車、オレのお爺さんの代からのもんなんだぜ??」 などと自慢をしてきたりという感覚。
我が国においては考えられませんもんね。
まあ、日本は世界有数の地震大国であり、世界トップクラスの技術大国。状況があまりに違いすぎているので仕方ないといえば仕方ないとは思うものの‥。
ちなみに、その自慢の古い建物に日本の建築基準法を当てはめるとどうなるのかな‥?とちょっと興味が。
「購入済みマンション」の売却
「イエイ」はマスコミでも注目されている日本最大級の不動産売却専門の業者比較サイトです。
2007年に誕生、以来、【300万人以上の方のご利用実績】【8年を超える健全な運営実績】【1000社以上との取引実績】を売りとしています。
「テレビCMも絶賛放送中」ともあり、「悪徳企業は徹底排除!イエイがトラブルを防ぎます。」「不動産会社へのお断りの連絡も代行する!!」など、しっかりとユーザー目線で作られている良いサイトだと思います。(無限ループの設定のチカチカする動画が散りばめられてしまっているという残念な点を除いては‥)
完全無料の「売却査定シミュレーション」では、「今日、売ったら最高いくらで売れるかが正確にわかります」とのことです。
「マンションナビ」 はマンションを売却したいと思った際に申し込めば、一括で複数の不動産会社に査定依頼ができるサービスで、最大で9社(売買6社+賃貸3社)からの査定結果が届くそうです。
こちらも、もちろん無料。
ただし個人的な感想しては、このサイトの作り‥。
何故‥? こんな全く何の魅力も無いキャラたちが登場するマンガをメインに持ち込んでくるのだろう‥? マンションの売買というようなマジメ中のマジメの話なのに‥。
結果、本当に持っている実力やメッセージがちゃんと本当に伝わるのだろうか‥?と心配になってしまいますね‥。
不動産エージェントの【無料一括査定】も不動産(分譲マンション、一戸建て/中古住宅、土地など)の一括の無料査定を依頼できるサイトで、最大で6社への一括査定の依頼により価格を比較、物件の最高金額を知ることができます。
ただこちらのサイトもその作り、「Flash」なんかを使用しているために、プラグインが入っていない環境では肝心のTOP画面が壊れて表示されます‥。
どうにも気になりますね‥。
「マンション」の賃貸
超有名どころ「お部屋探しのエイブル」の不動産情報の検索サイトです。
こちらを知らない人はいないのではないでしょうか。
「これでもか」というくらいの細かい条件設定やテーマが用意されています。
にも関わらず作りは非常にシンプルなので、使い方に迷う人もいないでしょう。
「欠陥マンション」の資産価値はゼロです。
仮に発覚後の補修工事によって欠陥が修正されたところで、「欠陥マンション」というレッテルを剥がすことなどはできないので、その評価は当然低くなります。
完璧に欠陥マンションを見抜くことはできないものの、絶対にそんなものの購入などは避けなければなりません。
当記事がその一助となれば幸いに思います‥。
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