ほんの気まぐれで、酒のつまみに「過去記事 : 大流行で話題の「1分料理動画」10サイトの比較・紹介・まとめ 」なんかを参考に「ショウガ焼き」なんかを作ったりしてみたところまではイイものの‥。
(真の理由は「満腹となった後に動くのが億劫なだけ」ながら)「浸け置き洗い」を言い訳として、ついついそのまんま放置‥。
するとあっという間に水が腐ってしまって悪臭を放つキッチンのシンク‥。
こうなってしまうとますます洗う気が起きず、今度は「雑菌の消毒」ということで漂白剤を掛けるだけ掛けて、やっぱり放置‥。
その間にもシンク自体は使い続けているので、結局、最終的に「非常に恐ろしい状態」になってしまってから、ようやく洗い物を開始‥。
「にしても、湖や池、沼の水も同じ止水のはずなのに、何故腐らないんだ‥?」
「うちのキッチンだけ腐らせるというのは“差別”ではないのか?」
「そもそも「湖・池・沼」の違いって何なんだろ‥??」
などなど‥妄想の世界を作り出して「意識をあっちの方へ飛ばしながら」泣く泣くの食器洗い‥。
何度もこんな愚かなマネを繰り返してきた自分に腹が立つ‥。
湖・池・沼の違いとは?
国土地理院による定義
国土地理院では、スイスの湖沼学者フォーレル(1841-1912年)による湖沼の深さと水中植物の分布状況からの区分として、以下のように定義しています。
名称 | 定義 | 例 |
湖 | 水深が大きく、植物は湖岸に限られ、中央に深い所には沈水植物を見ないもの。 | 琵琶湖・摩周湖・田沢湖 等 |
沼 | 湖より浅く、最深部まで沈水植物が繁茂するもの。 | 印旛沼・伊豆沼 等 |
池 | 通常、湖や沼の小さなものをいい、特に人工的に作ったもの。 | 満濃池 等 |
しかしながら、「湖沼等の用語については厳密に区分することは困難」としています。
地域の資源としてのイメージアップのための「沼」 →「湖」という呼称の変更などがあるため旧地名からの考察が必要となり、また、ダムによってできた「池」でも実際には「〇〇湖」と名前が付けられているので、地図では上記の区分とは関係なく、その土地で実際に呼ばれている名称が記載されている、そうです。
意外だったのが、個人的に抱いていた「沼」と「池」のイメージの違い。
「沼」といえば、例えば、暗い森の中にあって、水深も浅くて底には泥が溜まっていて、ともすれば全面水草で覆われていてその水面さえも見えない‥というような小さいサイズのものだと思っていました。
大体こんな雰囲気なのが「沼」‥。
(画像出典 : 道の駅「さとみ」駅長のひとりごと!)
なので、上記において個人的には「湖・池・沼」としていたものの、実際には「湖・沼・池」なんですね。
加えて、「池」の欄には「人工的に作ったもの」という記述が。
「へー、そうだったのか‥」と感心させられました。
陸水学による定義
日本陸水学会という(私としては聞いたこともなかった謎の)組織による【湖・沼・池】の定義は以下通りです。
名称 | 水深 | 特徴 |
---|---|---|
湖 | 5m以上 | 天然にできたもので、水草の生えない深いところがあるもの。 |
沼 | 5m以下 | 天然にできたもので、最深部までイネ科の植物やシダ、ヨシ、ガマ、スゲなどの草で覆われているもの。 水が澱(よど)んでいる。 |
池 | 5m~10m以下 | 人が造ったもの。ダムや貯水池など。 農業用のため池が多い |
ポイントは天然か人工かの違い、及び水深「5m」という基準でしょう。
やはり「池」は人工物を指すようですね。
ただし、ならば、人工物で水深「10m」以上である場合は何と呼ぶのか?という疑問は残りますが。
「そんなものはこの世に存在しない」ということなんでしょうか??
いずれにせよ、湖沼(こしょう)、もしくは池沼(ちしょう)とまとめて呼ばれることからしても、やはり「明確な基準はない」というのが大前提のようです。
ちなみに組み合わせとして残されている湖池(こち)という言葉がない理由、以前から不思議に思っていたものの上記の定義のおかげで容易に推測できるようになりました。
天然・人工でも真逆、水深の基準も正反対なので「まとめようがない」、でした。
湖・沼・池の水は何故腐らないのか?
そもそもの話、どんな“水”であっても、化学式のH2Oそのものは腐りません。
なぜなら、腐るという状態 = 腐敗というのは
「有機物が微生物の働きで分解されて、悪臭や有害物質を生じる現象」
のことだからです。
“水”自体は「無機物」。
なので、腐ることはありません。
となれば、日常生活におけるペットボトルやキッチンのシンクなどにおいて、ほんの数日も経てば簡単に起こってしまう「水が腐る」という現象は、どういう状態を指しているのか?
「“水”の中に含まれている有機物を栄養として微生物(バクテリア・細菌)が増殖、その分解の課程が進行することにより、悪臭や有害物質を生じている状態」。
これがいわゆる「水が腐る」です。
悪臭・有害物質のニオイについて
より深く実感してもらえるように、例えばその代表として「たんぱく質」を挙げますと、これが分解される過程では「硫化水素」や「アンモニア」が生成されます。
「硫化水素」、そのニオイの表現としてよく使われているのが「腐ったタマゴのような臭い」‥。
「腐ったタマゴのニオイなんぞを嗅いだことがあるヤツがどれだけいるんだよ‥」
そう思いません? これについては、大昔からホントに不思議に思っていました。
腐りきっているのが分かっているのに、敢えてそのタマゴのニオイを嗅ぐような奇人‥ですよ‥?
そんないかれたヤツの判断が基準ってのはどう考えてもおかしいと思いませんか??
なので、ここで私が新たに、別の「硫化水素」のニオイの表現を提案致します。
「温泉地での“オナラ”のニオイ」です。ドヤ<(`^´)>エッヘン
あのクッサイ “屁”のニオイ。あれが硫黄(いおう)のニオイです。
今後、是非ともこれを定番の表現として頂きたい。
ちなみに言うまでもなく、「アンモニア」は、「“小便”を放置したニオイ」ですね。
‥? やっぱり下品に過ぎますか‥??
以下、脱線話‥。
どれくらい前‥だったかな‥‥?
ずいぶん前の話、現住マンションの下層階において「硫化水素による自殺騒動」がありました。
「さっきからなんかピーポーピーポー、やたらうるせーけど!? なんだ??」
とイライラしながらテレビを見ていたところ、オートロックのマンションなのにいきなり部屋のインターホン前に直接ケーサツが現れ、いきなり「避難してくれ」と。
「何があったの? 」と尋ねますね? ふつー。
が、「異臭騒ぎ」と述べるのみ‥。「ホントのこと」については一切しゃべらず‥。
このヤロー‥。
とりあえず「はあ‥」と返事をしつつ、その前に、先程からの「ピーポーピーポー」の原因はなんだったんだろ? と、一応ベランダに出て外の様子を確認してみたところ、やっと事の重大さ(?)に気付いた。
マンションの目の前の道路が、はるか、あっちからこっちまで全面封鎖!
そこらじゅう、パトカーと消防車だらけ!!
「きたー!?」「おもしれー!!」
で‥その時感じたのが、「ドブ川」のようなクッサイ「硫黄」の “屁”のニオイ‥。
仕方なく「避難せよ」という「お上からの命令」に従っている途中、階段ですれ違うのは“空気ボンベ”を担いだ完全重装備のマスク姿の消防隊員たち‥。
こんな感じ。
(画像出典 : ほくちょの火事手伝い。)
これほどに必死感丸出しの人たちに、「何があったの?」などと話し掛けるというわけにはいかず‥。
そんな中で出会った、こちらと同じ「むき身」の警察官にさりげなく聞いてみた。
「これって硫化水素自殺ですよね?」と。
警官の立場としてはどうやら、住民には「異臭騒ぎ」と説明せよと徹底されていたようで、ホントの情報を知っている私にまずはビックリ。
「何故それを‥?」という質問への回答のやりとりを一通り経た後、本人からの直前の110番通報の状況から、田舎の母親に連絡してどうのこうのというような裏事情を色々詳細に教えてくれました。
で、言うだけ言っといて、ふと気付いて、「秘密にしてくださいね‥?」だってw
「人を呑む」という状況を作り出すのは、いつ如何なる場面においても実に楽しいものです。
好気性と嫌気性のバクテリア
詳しく知りたい人のためにもう少し具体的に‥。
自然界における【湖・沼・池】の中には細菌が数多く生息していて、大きく好気性と嫌気性のバクテリアに分けられます。
好気性(こうきせい)バクテリアとは、その活動に酸素を必要とするもので、対して嫌気性(けんきせい)バクテリアは、その必要がないもの。一般に「善玉」と「悪玉」と評価されています。
まずは水中においてこの好気性バクテリアが活動を開始して有機物を分解、「窒素」や「二酸化炭素」を排出します。
ところがその活動には酸素を必要とするので、徐々に水中の酸素は減少します。
すると続いては酸素をあまり必要としない嫌気性バクテリアが増えてきます。
嫌気性バクテリアは「硫化水素」や「アンモニア」を排出するものが多いため、水は例の嫌な臭いを発することになります。
これが「水が腐る」です。
これらの働きの例として多くはアクアリウム、「水槽で魚を飼育」において、詳しく引用されています。
あの空気をボコボコのエアーポンプ、水中に酸素を送り込んで好気性バクテリアの活動を妨げないようにしています。
水草の設置も光合成による酸素の創出を期待してのものです。
これらは「濾過バクテリア」とよばれる細菌群で、【湖・沼・池】において生物の排泄物やエサの残滓などの有機物を分解することで水を浄化しています。
「浄化」といってもそれは、魚などの生物が生きていける環境を整えるという意味であって、ニンゲンの飲用としては全く不適切な「腐った水」ということになります。
なので、水道水の処理過程では、「カルキ」と呼ばれる塩素、次亜塩素酸ナトリウムなどによって消毒することで「濾過バクテリア」も殺してしまうことになります。
よって、「魚を飼育」する時によく言われる有害な「カルキ抜き」、加えて「濾過バクテリア」を増やして育てることから始めなければならなくなるわけです。
水槽で魚を飼育することにおいて「すぐに魚が死んだ」とか「水が濁って困る」という問題の起因としては、これら「濾過バクテリア」が十分に繁殖していないために起こる「水質の悪化(浄化)によるもの」がほとんどです。
更に「亜硝酸」やらの専門用語を含めてもっと詳しく‥いう方のために、より分かりやすく(?)解説している「東京都水道局」のHPを紹介しておきます。
その他、実は自然の【湖・沼・池】の水は入れ替わっています。
地下水や雨水の流入やら何だかんだで。
しかも、気温の変動によって水がかき乱されることによる空気(酸素)の水中への供給という流れもあります。
これら自宅の台所にあるシンクなんぞとはレベルの違う「生物循環」の基本システムが成り立ってるために、【湖・沼・池」の水は腐りません。
とにかくまあいずれにせよ、何を血迷ったか、もしも調理などしたならば‥
「食器は必ず使用直後に洗っておけ!!」
ってことですね‥。
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